日記 2017年5月9日

見てと言われて窓に目を向けるとその向こうに母が倒れていた。母は飛び降りたのだ。私たちがそう仕向けたから。祖母と父は笑っていた。母の死体を見て、笑っていた。

部屋には私の知り合いが集まっていた。私はそれを殺す。片っ端から、全員、殺す。武器は覚えていない。銃の手応えもナイフの手応えも記憶にない。どうしたのかはわからない。でも全員殺した。

窓の桟に腰掛けてカーテンにくるまる。罪悪感と安堵と開放感が押し寄せてくる。

「私は悪いことをした」

私はつぶやく。

「でもあの人達だって私に悪いことをしていた」

カーテンに顔を押し付けて息をつき、部屋を出る。部屋の外には車が停まっている。私はその後部座席に乗り込む。

知らない男女がその後から乗ってくる。女性の方は後部座席より後ろのトランクに乗り込む(バンとかワゴンみたいにトランクの広い車だった)。男性は痩せぎすの、青白い、目の周りを不吉な色に染めた人で、私の隣りに座って古いiPhoneをいじる。

その男性と運転手がねえこれ壊れたんだけど、直る、とか、ルート取ってんの、とか話していると、更に別の人が車に乗り込もうとする。男性は私をちらりと見る。私は自分の隣を手のひらで叩いて示す。男性が私の方に詰めて座る。

手を差し出されたのでその手を握る。窓の外に私の名前の看板が見える。ああもう誰もあの名前を知っている人はいない、もう二度とあの名前を名乗らなくていいのだと思うと泣きそうなほど安心した。


というような夢を見て今朝は四時に目を覚ました。あまりにろくでもない朝だった。自殺する夢は何度か見たことがあるけど皆殺しは初めてだ。